【書評】「紙一枚!」読書法(浅田すぐる) | リサーチ力を上げよう!


当記事は浅田すぐる著『「紙一枚!」読書法』の書評です。

1冊の本を読むことも、得た知識を実際に活用できるレベルにまで引き上げるのは、時間と手間がかかるものです。
その悩みを解決するためのノウハウが凝縮された一冊です。

本の簡単な紹介

読書を苦手と感じてしまう。
本を読むことは非効率で面倒な行為でしょうか?

本書は、本から知識を得たい・活用したいという悩みを解決するためのノウハウが詰まった一冊。

私がこの本を手に取ったきっかけは、仕事・育児・家事に追われ、1日に本を読める時間が限られていたことでした。

何日もかけて少しずつ本を読み進めるうちに、求めていた知識を忘れてしまったり、途中で本を読むのをやめてしまうことが多々ありました。
そこで、この状況をなんとかしたいと思ったのです。

そんな悩みを解決させたのは、この一冊。

当ブログのコンセプトである『小説家を目指す』人に向けてこの書籍を紹介する理由は、小説家を目指す人には幅広い知識を得るために読書が欠かせないからです。

本から得た知識を効率よく活用したいと考えるなら、この書籍は必読です。


5個の要約ポイント

・身につけるなら「ファスト思考」から「スロー思考」に切り替える

思考→習慣→スキルの順に変えなければ、結果はついてこないでしょう。
これはビジネス書籍でよく見られる考え方ですが、この本も同様のアプローチを取っています。

「ファスト思考」は「浅い思考」、「スロー思考」は「深める思考」です。

私も結論だけ知りたい時には、動画やまとめ記事を頻繁に見ます。
それが「ファスト思考」、つまり考えることを放棄して楽することです。

それに対して、「どうして?」「なんで?」といった疑問を持ち、思考を深めることが「スロー思考」です。

意識の違いから直さなければいけないことに驚きました。
確かに、YouTubeで要約動画を見た後、覚えていないことが多かったです。

「見て満足して考えない」ため、覚えられず、活用もできないことに納得しました。

・目的の明確化

本を買うときには目的を持っていましたが、読んでる最中に曖昧になっていくことがあります。
「○○を知りたいと思って買ったのに、最終的に××を理解した」みたいな感じです。

この書籍では目的を最初に整理し掲げることで、目的を見失わないようにしようと書かれています。

小説のプロットを作りたいと感じるなら、「プロットの構成の作り方」、
描写の表現方法を知りたいなら、「魅力的な描写の表現例」と目的を持って1冊の本と向き合うようにする。

私も試してみましたが、意識するとしないとでは読書の質に雲泥の差があることを感じました。
簡単なことでも効果はしっかりあるので、是非試してみてください。

・3つの疑問を使って、読書を深める

3つの疑問「What」「Why」「How」の答えを探しながら読むと制約がかかり、考えないといけない状況を作ることが出来ます。

凄い既視感を感じたのは、会社で記入するクレーム処理表・・・・・・
書くのが面倒くさいと感じていましたが、これが「スロー思考」になるのか。

だから、クレーム処理表書いたことって忘れないんですね。

書籍には、「What:何が響いた?(感情を揺らした)」「Why:何故響いた?」「How:どう活かす?」と表現されています。
自分の気持ちに素直に回答すれば良いだけだから、クレーム処理表より圧倒的に楽だし楽しいことと感じます。

・読者中心の読解
・疑問の答えを見つけるために、あたりをつける

こちらの【読者中心の読解方法】は、かなり衝撃的でした。

読む主役は「あなた」自身

『「紙一枚!」読書法』|浅田すぐる

これまで、技術書やビジネス書は最初から最後まで読まなければならないと思っていました。
それは、作者の意図に気づけないと不安に感じていたからです。

でも、この書籍には『読者である自分が必要な知識だけを求めて読む方法もあって良い』と書かれており、その考え方にハッとさせられました。

今まで自分で作っていた“常識”が崩れるような感覚を覚え、正直、この一つの気づきだけでも、この書籍を読む価値があったと感じています。

たしかに、知りたい内容だけ読めば読む時間は大幅に短縮できます。
しかし、『どこに答えがあるか分からないから、全部読む』というのが、これまでの私のスタイルでした。

そこで、この本が教えてくれるのが、必要な答えを見つけるために“あたりをつける”方法です。
具体的には、まず表紙から前書き・後書き・目次の順に確認し、次に全体を流し見でざっと見渡します。

ほとんどの書籍はこの工程に10分もかからず、そこから必要な情報を抜き取れば良いというわけです。
必要な情報が見つからなければ、その本を読む必要もないのです。

こんな簡単に取捨選択ができ、時間短縮が図れる方法があることに驚きました。

速読術よりも実用的で訓練も不要なので、多くの人に紹介したいと思えるノウハウです。


自分の考えや本への想い

これまでは本のすべてのページに目を通すのが当然だと思っていたので、読者中心の読解方法には目からうろこでした。

一冊を読む時間が短くなり、以前読んだ本で理解できなかった部分も『こういう意図だったのか』と気づけるようになったことで、次の本を早く読みたいと思えるようになりました。

読書がかなり楽しくなり、次の本は何を読もうかなと考えてしまう。
無事、読書中毒者にクラスアップ!

読書感が大きく変わった1冊で、もっと早く出会えたら良かったなぁ

小説を書くために活かせること

  • 1冊の読む速度が早くなる
  • 情報の質が向上
  • 考える力を向上させる

この書籍に書かれているノウハウは、小説を書くためにも大いに役立つと思います。

小説の執筆には、時代背景や世界観、キャラクター設定、描写の表現、執筆方法など、多岐にわたる情報が必要です。
この情報量に圧倒され、諦めてしまう人も少なくないでしょう。

しかし、この本で読書速度が上がれば、執筆に集中できる時間が増えます。
情報の質も向上するため、後から調べ直す手間も減るでしょう。
また、思考力が鍛えられることで、キャラクター設定や描写にも深みが生まれます。

つまり、このノウハウは小説執筆に大きなメリットをもたらすだけでなく、普段の仕事にも応用できる万能スキルを育ててくれる一冊です。

まとめ


一度読んでしまえば一生使えるノウハウが詰まった、オススメできる一冊です。

また、書籍には「紙一枚」にまとめるためのフォーマットや、まとめ方のやり方・工夫・具体例が書かれていて新設設計となっています。

当ブログのコンセプトである『小説家を目指す』人は、小説を書き上げるために色々な書籍を読むことになると思います。
それらを読む前に一度この書籍、読むことをオススメします。